概要
ここではPyCon JP スタッフが行う、イベントの会計関連作業について書きます。
会計: 日々の売上記録や仕入記録といった資金記録の管理(会計的活動)、及び、支払い作業・入金確認を行う(経理的活動)。
参考: 一般的に、会計業務の一部として経理業務があります。
2018年より行っている会計業務の委託については 会計業務の委託 を参照してください。
予算・会計タスクは密接に結びついているため、一連の作業として担当(複数人可)することが効率的(ともに予算計画と実際のお金の流れを理解する必要があるため)。
目次
関連ページ
はじめに
メンバーからの支払い依頼に対して、予算・会計上支払いしてよい内容かどうかを厳密に審議します。
予算・会計担当の働きにより、最終的な赤字を防ぎ、重要な支払いへの残金不足といった事態を防ぎます。
基本情報
会計事務所との役割分担
会計事務所への委託事項
以下の業務は会計事務所へ委託しているため、イベント会計は実施しない。
決算用会計情報の取りまとめ
決算処理
銀行振込支払処理
銀行口座入出金の仕訳
入出金のチケット記録や書類のDrive保管はイベント会計で行う
源泉税預かりの納付
会計担当の業務
銀行口座の入出金履歴の照会依頼 (委託費用が上昇しないよう、 依頼を月1回程度にまとめる ようにする)
スタッフ内支払依頼フローの定義・周知 (以前の年の支払依頼ルールはGoogleDriveにあります。)
個人への支払い時に源泉税の記載チェック、一社会計理事へマイナンバー(個人番号)収集依頼
支払依頼内容の審査と承認 (座長への支払い依頼)
当日現金の準備、管理、残金・証憑回収 ※物理会場開催時のキーノート交通費・遠方支援含む
証憑(請求書・納品書)原本の収集、会計事務所への送付 (年内まで)
その他メンバーが必要とする会計事務所とのコミュニケーションの窓口
イベントの収支の概要を参加者向けに分かりやすく公開する
紙の領収書、請求書について
紙の領収書、請求書は、7年(消費税対象業者)の保持期限があります。 最終的な保管先は一社オフィスですが、年度の決算のため一旦会計事務所へ集約します。
フロー
【イベント会計】年末に会計事務所へ郵送する(例年どおり)
ベリファイやJIRA番号の記載は不要
一カ所に集め、決算に使用する
【会計事務所】決算後に一社オフィスへ郵送する
利用ツール
Freee(会計Freee、マイナンバーFreee)
2018以降は請求書の発行と、マイナンバー管理に利用(2017までは会計業務に利用
Google Drive
支払い依頼者に 、請求書、領収書のキャプチャを保存してもらいます。
ファイル名は、 {書類種別}({JIRA ID})_{処理日}払い_{タイトル} としてもらいます(管理が効率化します)。
例: 請求書(INU-437)_2018年08月24日払い_イベント保険
JIRA
支払依頼の管理、会計事務所への業務依頼(入金確認等)に使用
支払希望者(支払依頼) -> 会計担当(会計承認) -> 座長(支払承認) -> 会計事務所(支払対応) とアサインが変わる
ジャパンネット銀行(座長のみが使用可)
一般社団法人PyCon JPの銀行口座
ログイン情報は会計事務所・座長等一部メンバーのみに共有される
スポンサー料金などの入金情報の確認は、会計事務所に依頼する
VISAデビットカード機能で カード決済 ができる
PayPal
connpassでのイベント参加者の支払を受け取るために使う
PayPalで講演者へ旅費を送金することがある
スポンサー(主に海外)に請求することがある
上記以外での支払等(Webサービス上でのPayPal支払)には使用しない
支払申請・承認・支払い対応
諸経費の扱い(申請・支払い・精算)
業務上必要な文房具等の諸経費も、予算項目として扱い、所定の手続き・承認を経て予算シートに登録する
他の予算項目と同じ手続きで、支払いの実行(予算の執行)を行う。
他の予算項目と同じく、クレジットーカード払い、銀行振込、立替払い(&精算)のいずれかの方法で支払い・精算が行われる
支払いの実行については、このページ内の各支払いに関する記事を参照
各種支払い申請への対応と承認
支払対象が個人の場合、対応に注意が必要。
個人への外注等報酬支払いの場合の支払い承認フロー
(企業への発注や個人立替精算では無い)個人への(外注や講演)報酬支払い時の源泉税預かりの場合、以下の手順で、マイナンバー収集後に支払を行う。個人立替精算の場合には源泉税預かりやマイナンバー収集は不要です。
支払依頼(支払希望者): 個人への報酬支払はPyCon JPで源泉税預かりとなりますので、請求元の個人に請求書に源泉税預かり額の金額記載を依頼してください。
イベント会計担当:
請求書に源泉税預かり額の金額記載が無い場合、請求元個人に記載を依頼してください。
後述する通常の支払い承認フローでの審査を実施してください。
源泉税預かりが必要な支払い時は、支払前に、マイナンバー(個人番号)の収集を一社会計理事へ依頼する。
一社会計理事: マイナンバーFreeeを使い対象者へマイナンバー登録を依頼する(氏名、メールアドレスを会計理事へ伝える)。
一社会計理事: マイナンバー情報と本人確認書類の照合を行い、OKな場合、会計担当へ支払OKの連絡を行う
イベント会計担当: 源泉税預かり額を控除した金額を支払う(会計事務所へ依頼する)
一社会計理事: 会計事務所へ「氏名・住所・マイナンバー番号」を提出する。
スピーカーへの報酬支払い(未実施)
2019年現在でPyCon JPではキーノートを含むスピーカーへの報酬支払をしたケースはありませんが、良く話題に出ます。会計事務所の見解として下記があります。将来の検討時は下記を踏まえて会計事務所等に再確認をお願いします。
海外(非居住者)からのスピーカーの(国内で行う人的役務の提供)報酬の源泉徴収税率は20.42%となります。
その免除又は軽減を受けようとする場合には、支払日の前日までに「租税条約に関する届出書」等をその国内源泉所得の支払者を経由してその支払者の納税地の所轄税務署長に提出することとされていますが、個人ごとに申請しなければならないので大変ですから源泉徴収を行っておくことが良いと考えます。2国間条約のため各々の租税条約内容の確認も必要となります。
交通費等は実額支給が基本で、費用の国内外の区別(8%、10%も)を行って消費税の課税非課税の判る精算書が必要となります。
そのため、予め経費の試算書を作成してもらうことが必要かと考えます。
トラブルを避ける上で、できる限り立替を少なくしたほうが良いと思います。
パスポートコピーは必須にしてください。
海外に対して個人あての100万円以上の送金(1ヶ月間内)は課税当局がすべてチェックしています。
国同士の情報交換の整備が進んでいますので、送金の事由として講演内容などのエビデンス(既にあるとは思いますが)も必要かと思います。
国内のスピーカーに報酬を支払う場合、マイナンバー必須とお考えください。
基本的に給与所得者の場合、本人にとって年20万円以内であれば申告しなくても構わないのですがPyCon JPとしては支払調書を作成しなくてはなりませんのでマイナンバーは必要となります。
1回100万円を超える場合は源泉徴収税率が100万円を超えた分が20.42%となります。
講演費用が大きくなる場合は、法人も持っている講演者や法人に所属(プロダクション)されているケースもあると思いますので、その確認もなさったほうが良いと思います。
法人に振り込む場合は源泉徴収義務はありません。
試算書だけで終わらせずに受領証(領収書)は経費精算、講演報酬とも忘れずにいただいてください。
講演依頼書、契約書も原則、作成願います。
ただし、文書だと印紙税がかかってきますので電子文書でかまいません。
個人以外への通常の支払い承認フロー
支払依頼(支払希望者): 支払い依頼の内容・金額と、対応する当初本予算・最新予算を記載して、JIRAにて会計担当に支払を依頼する。
会計承認(会計担当): 支払い依頼の内容・金額と本予算を比較して、会計上支払い可能かどうかを審査する。
前述する個人への報酬支払いの場合、マイナンバー処理および源泉徴収金額の記載が必要なのでそのフローで確認する。
問題がなければ、同一JIRA課題を使って座長に「支払依頼」を送る。
支払承認(座長): 会計承認の内容を確認し、問題がなければ、同一JIRA課題を使って会計事務所に「支払依頼」を送る。(会計担当から直接会計事務所でも良い、座長の方針次第)
支払実行(会計事務所): 依頼内容に従い、支払いを実行する。
支払依頼の審査・会計承認
支払依頼内容・金額を、当初本予算(最初に確定した本予算)の金額・内容と照らし合わせる
支払依頼内容・金額が、当初本予算の項目と一致し、金額内の場合は「会計承認」
支払依頼内容・金額が、当初本予算との項目が一致しない、または金額が超過している場合:
予算担当(場合によっては座長)と協議の上、本予算の変更を承認した上で会計承認します。
不当だと思われる場合、妥当と考えるには情報不足の場合は、理由を添えて支払依頼を棄却します(情報を揃えての再依頼を促します)。
支払い申請への対応
支払い実行の申請については、支払いの申請(クレジットカード払い・銀行振込・立替) を参照
承認済みの支払申請に対して、支払いの対応を行う
原則クレジットーカード決済で対応可能な発注・購入を行うこととし、対応できないものは銀行振込・立替払いで対応。
その他の支払手段を極力用いない。
できるだけスタッフ自身のカードや現金での支払いは行わず、一般社団法人の銀行振込、カードで決済するようにしてください。 これは、お金のやり取りが自動的に記録されて、会計業務の工数を低減するためです。
クレジットカードカード決済(バーチャルクレジットカード番号発行)
座長が、ジャパンネット銀行では カードレスVisaデビット という機能を使用して、一時的に使用できるカード番号(バーチャルクレジットカードと呼称)を発行する。
バーチャルクレジットカード番号発行の手順詳細は、支払い用銀行口座・バーチャルクレジットカード番号発行 を参照
発行されたバーチャルクレジットカード番号は、座長から、支払いを実行するスタッフに直接連絡される
3Dセキュア認証が必要なクレジットカード決済については、座長が直接行う
座長しか知らない非公開情報の入力が必要となるため
スタッフが支払い実行後、座長によりバーチャルクレジットカード番号が無効化される
銀行振込
会計事務所に対して、銀行振込の依頼を行う
原則、●日締め●日払いという月1回の対応となるが、どのタイミングとするかは年度ごとに会計事務所さんと確認
例: 毎月15日締め、末日払い; 月末締め翌月1週目支払い
立替え払いと精算
立て替え払い
銀行振込、カード決済いずれの方法も取れない場合には、スタッフによる立て替え払いを行い、後日精算する。
スタッフによる立替え払いが行われた場合は、金額・領収書・生産金額振込先を確認の上、会計担当が会計事務所に「銀行振込」の依頼を行う。
会計事務所とのコミュニケーションチャネルが増えるのは非効率となるため
記載不備や双方の認識齟齬などがあると、会計事務所・スタッフの双方に工数が発生する
立て替えの精算
スタッフが立替えた支払いは、支払いの申請(クレジットカード払い・銀行振込・立替) にて、個人宛の銀行振込という形で精算。
その他特殊な支払いへの対応
海外ゲストへの交通費支払フロー
海外ゲストの交通費相当分の支払い時に行う。
【イベント会計】事前に交通費額を把握する
【イベント会計】現金渡しかPayPal渡しかを確認する
【イベント会計】現金渡しの場合、当日現金用意を会計理事へ依頼する
【会計理事】現金を用意し、イベント会計へ渡す(必要な場合)
【イベント担当者・イベント会計】航空券等の領収の写しをもらう
【イベント会計】海外ゲストへ支払を行う(現金 or PayPal)
当日現金の準備・配布・回収
当日に現金が必要になった場合に実施。主にPyCon JPカンファレンス前日・当日で発生する現金払いに使用。
当日現金が必要とならないような工夫をしたほうがよい。
手続きなどが煩雑で、対応工数がかさむため
当日に発生する支払いについては、クレジットカード払いまたは、座長やリーダーの立替払い・後日精算で対応できるように考える
当日現金の準備・回収フロー
【イベント会計】現金の出金依頼をSpreadsheetでまとめ、会計理事にJiraで依頼する
【会計理事】出金して、銀行メモ欄にチケット番号を書き、イベント会計に渡し、Jiraに記録する
【イベント会計】利用金額をSpreadsheetに反映して残額をまとめる
【イベント会計】残額を会計理事に渡しJiraで報告する
【会計理事】残額を入金し、銀行メモ欄にチケット番号を書き、Jiraで報告する
詳細
当日現金のリクエストを集めます。 ※当日現金払いとなる、 キーノートスピーカー交通費や、遠方支援含みます
本予算上のどの項目に対して、各額面通貨がそれぞれ何枚必要かをスプレッドシートに入力してもらうと効率的です。(GoogleDriveに2018のものがあります)
当日の予備費を現金で用意すると、出納帳を作ったり、使わなかった分を銀行に戻したり、といった手間が発生します。当日はバタバタするのでメモ忘れや二重にメモして数十円ズレたりしやすく、後日金額を合わせるのにかなりの手間がかかります。当日どうしても必要なものは、スタッフ各自立替で行い、立替申請をオススメします(これで金額の記録も残ります)。
2017年以降、両替手数料が上がり、両替後枚数が11枚以上は540円かかります。両替ができるだけ発生しないように組み立てると良いでしょう(海外スピーカーの交通値などは上限金額を決めれば1円単位で厳密に扱う必要はないはずです)
必要な当日現金について、一社の銀行口座担当者に準備を依頼します。
当日現金は、JMBカードが使える三井住友銀行のATMを使って引き出します。窓口のある店舗のATMであれば1円単位で引き出しが可能です。
現金の両替はどうしても必要になります(遠方支援のために1000円札が数十枚、等)。個人のATMで10000円両替引き出しをすることで、両替窓口の利用を回避できます。5000円札と硬貨は両替窓口を使って、1日10枚まで用意可能ですが、多い場合は手数料540円(消費税10%以降は550円)を含めて現金引き出しを行うとよいでしょう。
受け取った現金を分配し、希望者に配布します。 ※証憑を受け取ることをリマインドします
イベント後、残金と証憑を各担当者から回収します。
残金を、一社の銀行口座担当者に渡します。
残金が出ないように運用しましょう。
Freee・PayPalを利用した請求書発行
2020年現在スポンサーに対してのみ実施。
効率的に進行するため、スポンサーに対する請求書発行は、スポンサー担当が行う。
詳細は、スポンサー請求書発行・入金確認 を参照
イベント収支報告作成・公開
イベント収支報告 を参照
その他
年間の作業スケジュール
9月中旬開催の場合。
5月頃: 支払い依頼ルールを定義・周知する
5月以降: 会計事務所へのスポンサー料金入金確認依頼
5月以降: 支払承認の審査・会計承認
8月頃: 当日現金の必要数とりまとめ、当日現金の準備依頼
9月頃: 当日現金の受け取り、希望者への配布
10月頃: 当日現金残金・証憑の回収、残金の返却
10月頃: 収支予算と実績の対比・整理
10月~11月: 収支をまとめる(随時やっておきたい)
12月: イベント会計の決算を行う
作成した帳簿・資料
共有ドライブ「2015」の下を「事務局」>「会計関連」とたどり、左側のスプレッドシートを探してください(共有ドライブへの直リンク禁止なのでリンクを貼っていません)
PyCon JP 2015 - 参加者向けのイベント収支報告(のスプレッドシート)
PyCon JP 2015伝票リスト - 請求書、領収書のリスト
PyCon JP 2015 PayPal入出金リスト - PayPalからExportしたデータ
PyCon JP 2015 ジャパンネット銀行通帳 - ジャパンネット銀行からExportしたデータ
(参考) イベントの会計と一般社団法人の会計
イベントの会計
PyCon JP イベントに関連するお金を扱います。
イベントは収入よりも先に支出が発生する可能性があるため、運用資金を一社から借りて、キャッシュフロー上マイナスにならないようにします。
一社からの借入金を確定するために、イベントの「仮予算」を立てて、一社に予算申請します。
収入金額(協賛金)があるていど明確になったら「本予算」を確定します。 イベント終了後も、協賛金の収入などを月次で確認します。
11月頃にはほぼ全ての収支が出そろいます。この頃にイベント会計の決算を行い、一社会計に情報を引き継ぎます(2011~2014年は会計担当者が一社と共通だったため、実質的な引き継ぎはありませんでした)。
一般社団法人の会計
イベント以外のお金を扱います。イベントに関連して海外参加者に招聘書を送付する際の国際郵便の発送や、契約のための登記簿謄本取得など。また、プロバイダ契約などの単年のイベントとは異なり、年を超えて使用するサービスの契約等を行います。
一社の決算月12月末には、決算を行います。決算は会計士の先生にほぼおまかせですが、各収支項目の科目や金額はすべて情報を揃えて会計士に引き渡す必要があります。
(参考) 勘定科目
2017年度までは、イベント会計・一社会計がFreee上で収入と支出をそれぞれ以下の勘定科目に設定しました。2018年度からは、会計事務所が勘定科目を仕訳します。
イベント収入
勘定科目 | 内容 |
---|---|
イベント協賛収入 | スポンサーからの協賛金 |
イベント参加収入 | 参加者のイベントチケット代 |
キャンセル手数料 | PayPalの手数料は、 キャンセル時に返金されません(2018年~) |
受取利息 | 銀行利息 |
雑収入 | CodeZineさんや技術評論社さんのWebメディアに記事を掲載した場合の執筆料 |
イベント支出
勘定科目 | 内容 |
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支払手数料 |
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会議費 |
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会場費 |
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荷造運賃 |
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広告宣伝費 |
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外注費 |
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キャンセル返金 |
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保険費用 |
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事業経費 |
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支払手数料 |
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旅費交通費 |
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