会計業務の委託

会計業務委託の経緯

  • 2017年度決算(2018年2月)までは、PyCon JPの会計処理を会計理事とイベント会計担当者で全て行ってきました。

  • しかし、日々の会計処理はボランティアメンバーにとって「PyCon JPに関わりたい、Pythonの普及に貢献したいという参加目的から遠く、できれば続けたくない作業」でした。

  • そこで、2018年度(2018年1月)より、大部分を会計事務所へ委託することを 2018年2月20日 一般社団法人PyCon JP 運営会議#23 にて決定しました。

  • 月々3万円(決算は別途用)の委託費用が発生することになりましたが、会計処理に関わるストレスは大幅に削減されました。

委託の動機

  • 年次のイベントの会計引継コストが高かった

    • 各年のイベントチームは重複する期間を持たないため、会計の引き継ぎができない

    • 各年のイベント会計担当へは、毎年、一社会計理事(清水川)が引き継ぎを行った

    • 引き継ぎを行ってすぐに完璧にこなせるわけがなく、

  • 年次のイベントの会計業務コストが高い

    • 単年参加のイベントスタッフは会計に不慣れで、慣れる頃にはチームが解散となる

    • 年度末に向けてさまざまな会計タスクが積み残り、決算直前で問題が発覚する

    • 日々の精算・支払振込タスクに、地味に時間がかかってしまう

  • 決算時期の会計業務のコストが高い(イベント、理事とも)

    • 年度末に関係者全員で情報の突き合わせや補正を行った

    • 1年分の会計データの突き合わせ、仕分け

    • 4時間以上の認識合わせミーティング

  • フローに慣れていないため、いくつかの問題が発生

    • 預かり源泉税の扱い間違い(源泉忘れ返金依頼 TRI-990、独自に納税 ISSHA-949)

    • 支払調書のためのマイナンバー取得忘れ(SSHA-952)

    • 個人のクレジットカードで70万円立替(TRI-550)

上記の問題は、イベント会計の行う業務の種類が多く、それぞれに会計ルールの理解が必要だったために発生している。この問題を解決するため、会計業務を外部に委託することでフローを確立し、イベント会計の業務量と種類の最小化を行った。

会計の外部委託詳細

  • 委託内容(概要)

    • 会計フローの整備

    • 請求書の処理(会計記録、支払い)

    • 支払処理(会計記録、支払い)

    • 入出金の仕訳

    • 納税(源泉税、法人税、消費税)

    • 決算書類の作成

    • 支払調書の作成

    • その他、相談など

  • 委託費(税別)

    • 会計代行 30,000円/月 = 36万円/年

    • 決算代行 27万円/年(消費税申告書作成 5万円/年 含む)

  • コミュニケーション・ツール

    • Slack(チャット、ビデオ会議)

      • チャットは時々

      • ビデオ会議は必要なときのみ(実績は1回のみ)

    • Jira(日々の依頼)

      • 清算、振込

      • 源泉税預かり処理

      • 決算処理依頼

      • 会計事務所からの請求

    • Mail

      • 委託以前はメールのみ

      • 委託後はSlackで済んでいるためほぼ使用していない

    • 打合せ

      • 委託以前は会計事務所にて年2,3回実施

      • 委託後はSlack Callでオンラインで実施

    • Freee(ミニマムプラン, 1980円/月)

      • イベントスタッフが請求書を作成

      • 入出金参照(銀行のID/PWを持たないイベントスタッフ向け)

      • マイナンバーFreeeによる個人番号の管理

  • 委託: 銀行の入出金の追跡(主に決算のため)

    • 銀行口座(入金用)はID/PWを発行、参照のみ

    • 銀行口座(出金用)はID/PWの他に振込権限のあるトークンを追加発行(1080円)

    • その他口座(PayPal等)は参照用アカウントを発行

  • 委託: 振り込み代行

    • 振込実行時に会計記録、科目仕分けを実施

    • 振込依頼は日々発生するが、振込は毎月15日締めで実施

    • 緊急の振込は会計理事が実施

  • 委託: 納税

    • 法人税、源泉税、消費税などの税金を立替えて支払ってもらう

    • 立替え分は委託費と一緒に月次精算

    • 会計記録してもらう

  • 委託: 支払調書の送付(マイナンバーの取り扱い)

    • 会計理事は、マイナンバーと住所氏名がFreeeに登録されたら支払を承認

    • 会計理事は、支払調書作成のためにマイナンバーを会計事務所へ年度末に送付

    • 電子保管されたくない個人は、会計事務所へ直接送付とする

    • 会計事務所は、年度末に支払調書を作成

委託に関連して行ったこと

  • 会計事務所との決算ミーティング廃止

    • 決算資料作成のために、年度末(12月~2月)に行っていた

    • 2017年度分は、2018年1月末の平日に、17時~22時で開催(すごく疲れた)

  • Freee廃止の検討

    • Freee上でイベント会計担当者が入出金の科目を都度設定していた

    • 委託により不要になるかと考えたが、継続利用を決定した

    • 用途は、請求書発行、領収書発行、マイナンバー保管、入出金情報参照

  • 銀行(ジャパンネット銀行)の口座を入金と出金に分割

    • 入金は「入金用口座」へ、支払いは「出金用口座」から

    • 入金用口座はID/PWを会計事務所用に発行、トークは渡さず参照のみ

    • 出金用口座は会計事務所にトークンも渡し、振込を可能とした

    • 出金用口座の残高は必要最小限とする(繁忙期以外は100万未満とする)

    • 入金口座から出金口座への資金移動は、会計理事が行う

  • マイナンバー保管フローの整備

  • 口座アカウントの整理

    • ジャパンネット銀行 入金口座

      • 会計理事(トークンあり、出金可能)

      • 会計事務所(トークンなし、閲覧のみ)

    • ジャパンネット銀行 出金口座

      • 会計理事(トークンあり、出金可能)

      • 会計事務所(トークンあり、出金可能)

    • PayPal

      • イベントスタッフ(参照のみ)

      • イベント会計(出金可能)

      • 会計理事(出金可能)

      • 会計事務所(参照のみ)

    • Freee 会計

      • イベントスタッフ(参照可能)

      • イベント会計(参照可能)

      • 会計理事(参照可能)

      • 会計事務所(参照しない)

    • Freeeマイナンバー管理

      • 会計理事(登録依頼実行、参照、管理)

      • 代表理事(管理)

      • 会計事務所(参照しない)

各種ルール

振込ルール

  • 銀行振込を実施するタイミング

    • 1ヶ月に1回、15日締め、月末払い(会計事務所との取り決め)

    • 急ぎのものはカード払い(銀行のデビットカード)

    • 急ぎで銀行口座払いが発生する場合は会計理事へ別途相談

      • 実例: 会場費の振込が5日後までに100万円

  • 振込金額が高額で、出金口座の残額を超える場合

    • 【会計事務所】会計理事へ、残額補充を依頼する

    • 【会計理事】他の口座から出金口座へ資金を移動する

  • 個人への報酬支払

  • スタッフの立替精算

    • 経費発生と経費計上が大きくずれると後でわかりにくいため1ヶ月以内を目処に精算

    • 【イベントスタッフ】領収書やレシートを画像化しDriveへ保存、Jiraチケット作成、イベント会計へ提出

    • 【イベント会計】内容を承認し、会計事務所へ精算依頼

    • 【会計事務所】精算振込を実施

  • 振込したら

    • ジャパンネット銀行のメモ欄にチケット番号を書く

科目仕分け

  • 精算、振込、入出金にともない随時仕分けしていく